アメリカの家。
アメリカの家と聞いて、どんな家を想像するだろうか。
大きいお庭で走り回るゴールデンレトリバー。
広くて可愛いキッチン。
土足で歩き回る部屋。
私が初めに持っていたのは、こんなイメージ。
これを実際に見せてくれたのが6年前のホストファミリー。
今は残念ながらもういなくなってしまったけど、当時は老犬のラブラドールレトリバーがいた。
それも含め、ここはまさに理想の「アメリカの家」。
インテリア全てにセンスがあって、できることなら全部真似したい。
まずはリビング。
冬はこの暖炉ひとつで家中が暖かくなる。
クリスマスの朝にはここに靴下が並んでかけられていて、中にはプレゼントがたくさん…
思い出すだけでわくわくする。
旅好きなホストファミリーがアフリカで買った、
100%オーガニックコットンのタオルケット。
暖かくてぬくぬくして、映画を観ながら熟睡してしまった。
もうひとつのリビングというのか、
クリスマス当日はここにツリーがあってその下にはプレゼントがたくさんあった。
次はダイニング。
フェイク野菜でダイニングテーブルを明るく賑やかに。
ひたすらお皿を飾っている。
こんなインテリア、地震大国の日本では難しいかな。
続いてキッチン。
ここでお料理教室が開いたらすごい楽しそう。
6年前の冬には、ここで知り合った日本人の女の子と一緒に
すき焼きとお寿司を作ってパーティでみんなに振る舞った。
ホストマザーお手製の、グルテンフリー食パン。
ここは私が使わせてもらった部屋。
6年前この部屋に初めて入った時、
暖かい布団の中にカメムシが10匹………。
ホストマザーが爆笑しながら処理していたのを覚えている。
それも今ではいい思い出。
実家、留学先に次いで3番目の自分の部屋となったのがここ。
部屋に飾られていたフランス人形が怖くてクローゼットにしまってもらったら
夜そのクローゼットからゴンゴンと音が聞こえてきたり、
一緒にホームステイした子と日本やアメリカや人生について語り合ったり、
部屋に飾られた絵からこの街の妄想が広がったり。
ただ寝るためだけの2週間限定の部屋も、思い出が詰まってる。
またこのベッドで寝る日が来るなんて。
※今回はカメムシみたいな先客はゼロ。
ここが普通では見られない、こんな部屋を持つ人がいるんだと一番驚いた部屋。
ホストファザーの趣味は、ハンティング。
色んな国に旅して、大物をハントしては剥製にしてここに飾っている。
アラスカが良かったって話を聞いた気がする。
これを見た時はただ驚いて「すごい」しか言えなかったけど、
正直、ハンティングに関しては賛成は全くできず。
獲った動物の肉はどうしてるのとか、動物が可哀想とか、
言いたいことはたくさんあったけど何も言えなかった。今回も前回も。
なぜなら、ホストファザーがとてもいい人だから。
狩猟という趣味には大反対でも、そんな人を責めるなんてできなかった。
もっと自分に語彙力と知識があったら、このことについて深い話ができるのかもしれない。
そうすれば、理解できることがあるのかもしれない。
これは次回来た時の課題かな、と思う。
そして最後、アメリカの家といえばやっぱり大きなお庭。
この家にもちゃんとそれはあった。
冬はカバーがかけられていたプール。
こんなホテルについているようなプールが
どうやったら家の敷地内に造られるのだろう。
ゆらゆらするベンチもあって
冬はこのお庭にホットタブを用意してくれた。
日本を離れてからシャワーだけの生活だった体にとって、
真冬のホットタブはとてつもない癒しを与えてくれた。
どうして日本人は、お湯に浸かると長話をしてしまうのだろう。
アメリカにいるのを忘れるくらい、2人で語っていた。
ハンティングのためのスペース。
家の敷地内で弓矢を放つなんて、聞いたことがない。
離れみたいなところに、ガレージがある。
1964年(だったと思う)のオープンカーに乗って
ホストファザーが猛スピードで飛ばしてくれたのは
まるでジェットコースターに乗っているみたいでとても楽しかった。
夏だから、田舎だから、アメリカだから体験できたこと。
紳士なホストファザーがあんなワイルドな姿を見せてくれたことも嬉しかった。
ガレージは基本的にはホストファザーのものがたくさん。
昔から車が好きで、今では車の修理場でトップとして働いている。
(これは仕事場の写真)
このガレージ、ベースメントが付いている。
ホストマザーについて行くと、そこには石鹸がたくさん。
ホストマザーとその娘のプロジェクトなんだそう。
石鹸を作ってネットで販売したり、週末にはソープショーを開催したり。
この話をしている時の彼女はとても生き生きとしていた。
やりたいことができていること、娘と働けていること、娘が仕事ができる人であること
その全てが、彼女がこのプロジェクトを誇りに思える理由なんだと思う。
興味がある方は、ぜひ。
2つプレゼントしてもらったが、香りが良くて使うのがもったいない。
洗面所のガラスの扉に入れて、開ける度に香りを楽しんでいる。
こんなにも人様のお宅をパシャパシャ撮影したことがあるだろうか。
でもホストマザーは、どんどん撮ってと言ってくれた。
「寝てもいいし、映画観てもいいし、家の写真を撮ってもいいし、何したい?」
こんな具合に。
ちなみに家の中でも土足というイメージは間違っていない。
でも、この家も娘の家も基本的に靴は脱いで生活している。
靴で歩くこともあるから綺麗な床ではないかもしれないが、
カーペットもふかふかでとても楽。
その国を知るということはその国の人の暮らしを知るということ。
いつかアメリカ以外のお家にも、数日間のホームステイをしてみたい。
自分の知らなかったその国が、街が、人が、見えてくるかもしれない。